『印刷機を持たないデザイン会社の方が、印刷代が安くなるって本当?「ファブレスのような仕組み」と発注者のメリット』
「パンフレットやチラシを作りたいけれど、デザイン会社に頼むと印刷代が高くなりそう…」 そう思っていませんか?
実はデザイン業界には、「自社で印刷機を持たない会社に頼んだ方が、結果的に印刷コストが安くなる」という、ちょっと不思議な現象があります。
「印刷機がある会社の方が、中間マージンがなくて安いはずでは?」と思うかもしれません。なぜ逆のことが起きるのか、その裏側にある「ファブレス(工場を持たないメーカー)のような仕組み」と、発注者であるあなたが得られるメリットを分かりやすく解説します。

印刷機を持たないデザイン会社と「ファブレス」の共通点
ビジネスの世界には、Apple(iPhoneの製造を外部に委託)や任天堂(ゲーム機の製造を外部に委託)のように、自社で工場を持たずに製品の企画・開発に特化する「ファブレス企業」という形態があります。
厳密には、デザイン会社は自社製品を作るメーカーではなく「サービス業」ですが、「アセットライト(資産を持たない経営)で、製造(印刷)は外部の専門機関とアライアンスを組む」という構造は、まさにファブレス企業の仕組みと共通しています。
印刷機という巨大な設備を持たないからこそ、デザイン会社はフットワーク軽く、クライアントへ高いコストパフォーマンスを提供できるのです。
なぜ印刷機を持たないのに「安く」できるの?3つの理由
自社で印刷機を持たないデザイン会社が、コストパフォーマンスに優れている理由は主に3つあります。
- 「印刷機の稼働率」という呪縛がないから
印刷機は数千万円〜数億円する高額な機械です。自社で印刷機を持つ会社は、その元を取るために「とにかく自社の機械を動かし続けなければならない」という固定費のプレッシャーを抱えています。
一方、印刷機を持たないデザイン会社はその維持費や人件費がゼロ。余計な固定費がデザイン代や印刷代に上乗せされません。 - 案件ごとに「一番安い印刷所」を選べるから
印刷工場にはそれぞれ「得意分野」があります。
◦A社:チラシの大部数印刷が激安
◦B社:高級感のあるパンフレットや特殊な加工が得意
◦C社:少部数のシール印刷が早い
自社に印刷機があると、本当はB社で刷った方が安い案件でも「自社の機械」で刷らざるを得ないことがあります。印刷機を持たないデザイン会社なら、あなたの案件に合わせて「いま、日本で一番コストパフォーマンスが良い印刷所」をニュートラルに選んで発注できるため、結果的に安くなるのです。 - 大量発注による「ボリュームディスカウント」が効くから
「デザイン会社を通すなら、結局マージン(手数料)が乗って高くなるのでは?」と思われるかもしれません。 しかし、数多くの案件を抱えているデザイン会社は、印刷所にとって「大口の常連客」です。個人や一般企業が直接印刷所に頼むよりも、デザイン会社経由の方が遥かに安い「業者価格(仕入れ値)」で印刷できるため、マージンを含めてもトータルで安くなるケースが多々あります。
コストだけじゃない!この仕組みがもたらす発注者のメリット・デメリット表
| 比較項目 | メリット(印刷機なし / パートナー型) | デメリットと対策 |
|---|---|---|
| 印刷コスト |
● 印刷代が安くなりやすい ・印刷機の高額な維持費(固定費)が価格に上乗せされない ・案件ごとに日本国内で一番安い印刷所を選べる ・大口の業者価格(ボリュームディスカウント)が適用される |
▲ 色校正に費用がかかることも ・厳密な色合わせ(実機での試し刷り)を行う場合、外部工場を動かすため費用がやや高くなる傾向がある 【対策】一般的な印刷であれば、画面や簡易出力での確認(デジタル校正)で十分なケースがほとんどです。 |
| 表現・品質 |
● 表現の制限がない(クリエイティブ最優先) ・自社の設備のスペックに縛られないため、特殊な紙、金箔押し、変形サイズなどデザインに合わせて最適な工場を自由に選べる |
▲ 会社の「目利き力」に左右される ・デザイン会社側に印刷の知識や、最適な印刷所を選ぶディレクション能力がないと、仕上がりに不具合が出るリスクがある 【対策】過去にパンフレットやチラシなどの印刷物実績が豊富で、紙質や仕様を的確に提案してくれる信頼できる会社を選ぶ。 |
| 納期・手間 |
● 面倒な手続きを一本化できる ・ネット印刷への入稿ミスや色味のトラブルなど、複雑な管理・チェックをプロが一括して代行してくれるため安心 |
▲ 超特急の案件に対応しにくい ・外部工場で印刷した後に「配送(運搬)」の時間が必要なため、「今日の今日ほしい」といった即日納品は難しい 【対策】基本はスケジュールに余裕を持って発注する。超特急の時だけ近隣の工場併設型の会社に分けるなどの使い分けが有効。 |
賢くコストを抑えて、最高の成果物を
「印刷機がある=安心・安い」とは限らないのが、現代の印刷・デザイン業界の面白いところです。
設備を持たないからこそ、しがらみがなく、常にクライアントにとって最適な選択肢を選べる。これこそが、印刷機を持たないデザイン会社の最大の強みです。
「限られた予算のなかで、できるだけクオリティの高いものを作りたい」 そう考えている方は、ぜひこうした「製造パートナー型」の仕組みを取り入れているデザイン会社に相談してみてはいかがでしょうか?
